患者さまが、
歩いて 帰っていくのを見る喜び。

Kentaro Morinaga

森永 顕太郎Kentaro Morinaga

東京医科大学病院
救急医学/助教
東京都出身。順天堂大学医学部を卒業後、順天堂練馬病院での研修を経て、東京医科大学病院に入職。

ーー 医者を目指そうと思ったのはいつ頃ですか。
子どもの頃から飛行機やロケットをつくりたいと思っていたので、工学部に進んでエンジニアになるつもりだったんです。なのに高校3年生の時、ふと「医者もいいな」と。なぜそう思ったんでしょうかね。
自分でもよくわかっていないですが、たぶん“命を救う医者はカッコいい”とか、そういう理由だったんだと思います。
ーー まさしく救急救命に通じる思いじゃないですか。

確かに一貫して心の中にあったのは、道ばたで誰かが倒れていたら真っ先に駆け寄って手を取ってあげられるような医者でありたいという思いです。特定の臓器についてのスペシャリストというよりは、何も器具がなく、検査もできないような状況でも、手技だけで救えるような医者がずっと理想ですね。

実際にそんな場面に出くわしたことはないですが、もし倒れている人が街中にいたら、すぐに駆けつけて最善を尽くす自信があります。
ーー 飛行機でよくある「お客様の中にお医者様は」という状況ですね。

雰囲気がよかったからです。おっしゃったように私は他大学の出身ですが、そんなことはまったく関係ないです。全然排他的でなく、壁がありません。また、若い先生が多いせいか、とても自由な空気があります。誰に対しても言いたいことが言えますし。

あとは、働く環境ですね。先輩も「子どもの運動会だから」と遠慮せずに休むし、皆さん、プライベートの時間をすごく大切にしています。
ーー 救命医としてのやりがいはいかがでしょうか。

ここには意識障害で運び込まれてくる患者さまが多いですし、心肺停止の方も珍しくありません。そうした患者さまが、文字通り死の淵から引き返してきて、ご自分の足で歩いて帰っていく様子を見ることは、大きな喜びです。中には退院の際に救命救急センターに立ち寄ってお礼をおっしゃってくれる患者さまもいて、嬉しく思います。

もちろん辛いことも多いですし、特に名前も知らないまま運ばれてきた若い方が亡くなっていく様子を見るのは、本当に辛い。後に引きずらないようにはしていますが。
ーー どんな後輩を歓迎しますか。
先輩や指導医に黙って従うだけでなく、自分ならこうしたいといった思いをしっかり言える人がいいですね。ここには上下の垣根がなく、どんな意見でも自由に言い合える環境がありますから。

仲間へのメッセージ

  • 職場では厳しくて、職場を一歩離れるとすごく優しくなる方。とても頼りがいがあります。

    Kotaro Uchida

  • 特に事務系の仕事に強く、誰にも負けないぐらい、完璧でスピーディーな仕事をしてくれます。頼りになる存在ですね。

    Masako Sakurai

  • ムードメーカーというか、宴会部長というか。救命救急センターの雰囲気を上手につくってくれています。

    Tsubasa Fujikawa

  • 勉強家です。常に課題を見つけて、努力し、自分で道を切り拓いていくことができる人です。若くして救命救急センターの柱になってくれています。

    Keiichiro Shimoyama

  • 人付き合いがとても上手な方です。誰とも摩擦を起こさず、適切な人間関係を築くことができると思います。

    Saeko Yoneyama